改良メダカを飼い始めたけどどうしていいかわからない……
という方にわかりやすくメダカの飼育方法を解説!
「飼育に必要なもの」などの準備物から、「水換えの仕方」「エサの種類や頻度」などの飼育方法、交配の実践方法までメダカ飼育に関することをまんべんなくお伝えします!
目次(クリックorタップで該当箇所に移動します)
・水槽の選び方
・砂利の選び方
・水草について
・飼育場所について
・飼育水について
・エサの種類と与え方
・水替えについて
・水替えの回数と方法
・グリーンウォーターについて
・オスとメスの見分け方
・産卵時期について
・効率良い産卵のさせ方
・産卵の観察方法
・孵化の条件
・稚魚の飼育方法
・メダカの様々な病気
・屋外飼育(常温飼育)の月別ポイント
・屋内飼育(加温飼育)の月別ポイント
メダカに関する質問にピンポイントで回答!
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水槽の目安は1匹に1Lの水量
メダカは丈夫な魚ですので、水が漏れない容器であればどんなものでも大丈夫です。ペットショップで売られているガラス水槽、発砲スチロール、園芸用のプランターやプラスチック容器などがよく使われています。
重要なのは、メダカの匹数に見合った大きさの水槽を用意する事です。水槽の中に入る水量を把握して、1リットルに対して1匹を目安に飼育しましょう。
例えば10匹のメダカを飼育する場合、10リットル以上入る水槽を用意してあげれば過密になることなく余裕をもって飼育することができます。過密飼育をすると成長が遅くなったり、卵が産まれなかったり、酸欠や水が痛みやすくなったりと、メダカが病気や弱ってしまう原因となってしまいます。水槽が大きすぎる事でメダカに負担がかかってしまうことはないので、なるべく大きめの水槽で飼育しましょう。
ただ、水槽が大きすぎても掃除が大変になってしまいますので、適度な大きさの水槽を選ぶことで、日々のメンテナンスも滞りなく行うことが出来ます。
<オススメ水槽1>メダカ元気 メダカのために飼育鉢(GEX)
屋外で上見用の水槽です。お手頃な価格で、かわいらしい水槽としてご利用いただけます。色が茶、黒、白と選べるのも便利です。容量は12Lと8Lのものがありますので、飼育する匹数と配置する場所の大きさによって選んでみてください。
<オススメ水槽2>黒発砲スチロール箱 フタ付き(クハラ)
屋外で上見用の水槽です。頑丈で使いやすく、飼育にとてもおすすめの容器です!発送にそのまま利用する人もいます。
<オススメ水槽3>ガラス水槽 萩物語めだか(クハラ)
屋内で横見用の水槽です。日本メダカ協会が主催するメダカ品評会でも使用されており、横見でメダカを観賞するのにピッタリの水槽です。木目フレームがインテリアにマッチします。 MD-205が3.5L(数匹用)、450Lowが12L(10数匹用)です。
砂利は丸みのあるものを敷くのがオススメ
水槽に底砂を入れることで、水槽を綺麗に演出したり、水の劣化を抑えるバクテリアのすみかとなることも期待できます。底砂に繁殖したバクテリアは、エサの食べ残しやメダカの排泄物から出る毒性の強いアンモニアを分解し、ほぼ無害な硝酸塩に変えます。つまり、バクテリアは水質の安定と浄化には欠かせない微生物になります。
底砂を選ぶ際、なるべく角の無い丸みを帯びたものを使用してください。メダカは驚いた時に地中へ潜ろうとしますが、その時に角張った砂利の場合、怪我をするおそれがあります。底砂の他に 赤玉土やメダカ用のソイルなども販売されていますので、好みにあったものを選ぶとよいでしょう。
また、底砂を敷かない「ベアタンク」という飼育方法があります。ベアタンクは底に溜まった腐敗物の除去がしやすい、産み落とした卵を見つけやすい、などのメリットがあり、頻繁に水替えの出来る方、卵をなるべく多く採取した方にオススメの飼育方法です。
水草は産卵や夏の日よけにオススメ
メダカにとって水草は隠れ場所や産卵場所になったりします。また、日中は光合成により酸素を供給してくれたり、水を浄化する作用もありますので、なるべく水草は入れてください。
メダカの飼育では、ホテイアオイやアナカリスなどがよく使われています。ホテイアオイの根は水中の余分な栄養分などを吸収し水を浄化してくれたり、夏場の日除け、水温上昇の防止など大変重宝されます。
また、メダカの産卵場所としても最適で、夏場の採卵には多くの方が利用しています。ただし、根が伸び過ぎると、メダカに絡まり抜け出せなくなることがあるので、ある程度根が伸びてきたらカットしてください。
ホテイアオイが増えすぎると、夜間に二酸化炭素の量が増えてメダカが酸欠になり死亡する事があります。水量に対してホテイアオイが入りすぎていないか注意してください。
余談ですが、ホテイアオイの名前は、葉の基部の膨らみ部の膨らみが、七福神の布袋様のおなかに例えられ付けられた名前のようです。
アナカリスは育成が容易で、安価で購入しやすく、多くの方に利用されています。池や川でよく見られる水草ですので、採取して利用するのもよいでしょう。 ただし、自然に生えているものには、寄生虫や雑菌が混入している事も考えられますので、殺菌をしてから水槽に入れるようにしましょう。また、購入した水草にも同じよう場合がありますので、よく洗ってから利用してください。
飼育場所は日当たりのよい屋外に
水槽を置く場所は、できるだけ日当たりの良い場所に置きましょう。太陽光には殺菌作用があるため、水槽内のメダカが丈夫で健康な状態を維持することができ、病気にかかりにくくなります。
また、繁殖力の増加や、色揚げにも良いと言われています。その点から言うと、メダカを飼育するのは屋外飼育が理想です。
しかし、夏場に太陽光が当たり続けると水温がかなり高温となりますので注意が必要です。特に西日は昼に上がった水温をさらに高温にするため、西日が水槽に当たらない場所を選ぶのがオススメです。
どうしても西日が水槽に当たってしまう場所で飼育しなければならない場合は、よしずなどで影を作り水温が30度以上にならないように対策をしましょう。
室内飼育は、いつでも好きな時にメダカを鑑賞できるのが魅力ですが、どうしても光量が不足します。光不足はビタミンD の欠乏をもたらし、メダカが病気にかかりやすくなります。
室内飼育の場合は光を補給するという意味でも、水槽用のライトを使用してください。点灯しておく時間は12時間〜14時間程度を目安にすると良いでしょう。日当たりの良い窓際で飼育しており、屋外とほとんど日照時間が変わらない場所でも、室内飼育の場合はライトを点灯しておくことをオススメします。
飼育水はカルキ抜きをしっかりと
メダカを飼育する上で大切なものの1つが水です。
めだかの館では、地下水をくみ上げて使用していますが、ほとんどの愛好家の方は水道水を使う場合が多いと思います。そこで注意が必要なのがカルキです。
水道水には殺菌のために塩素が使用されています。この水道水に含まれる塩素がメダカにとって害のあるものとなります。 水道水の塩素を抜くには、屋外で約24 時間、室内の場合は2〜3日水を汲み置きしておくと、自然に水中から塩素が抜けます。また、汲み置き水を常に溜めておけば、水温も気温と同じくらいになり、水換えに使用する際にも好都合です。
すぐに水道水を使う場合には、市販のカルキ抜きを使用してください。飼育に使う水道水、または地下水にしても、地域によってはpH に問題がある場合があるようです。あらかじめ市販のpH など測定する検査薬で調べておくと安心です。
pH とは水中のイオン濃度の度合いを示すもので、pH= 7が中性、それより数値が下がると酸性、上がるとアルカリ性となります。メダカの飼育には弱酸性〜弱アルカリ性の範囲内での飼育が理想です。pH は飼育環境によって変わってきます。飼育水は飼育を続けるにつれ酸性に傾いてきます。あまりにもpH が低下することは、メダカにとっては害になります。
また、pHや水温などに差がある水にメダカを移したりすると、水質の急変で体調を崩す可能性があります。
そのため、メダカを購入された場合や水替えなどで違う水槽に移動させたりする場合には、水合わせをしっかりと行ってください。
水合わせをする際には、小さめの容器に飼育水と一緒にメダカを入れ、新しく入れる水槽にしばらく浮かべておきます。1時間程度で水温が同じになるので、新しい環境の水を少しずつ入れて、ゆっくりと新しい環境に慣らしていきます。これをすることにより、水質や水温の急激な変化を防ぎます。
<一口メモ>
水槽を入れ替えて水替えをする時には、メダカの入っている水槽の横にならべて新しい水を水槽に汲んでおくと、水温が同じになり負担が少ないのでオススメです。屋外の場合は前日、屋内の場合は2〜3日前から準備するとカルキが自然と抜けてより良いでしょう。その際にもともといた飼育水を入れてあげることで、水質の変化が少なくなりメダカへの負担が少なくなります。
エサは3分で食べきれる量が最適
人に慣れているメダカは、近づくと勢いよく人間の方に近寄ってきます。これは飼育者がきちんとエサを与えている証拠で、とても大事なことです。
メダカは雑食性でプランクトン、ミジンコ、ボウフラ、植物、小さな昆虫など、いろいろなものを食べ、自分が産んだ卵や稚魚までも食べてしまいます。
家の限られたスペースでメダカを飼育する場合は、これらの自然に発生するエサだけでは足りないため、必ず市販されているメダカのエサを与えてください。(当店で販売しているエサを下記で紹介しています)
メダカは口が上向きについていますので、 基本的には水面に浮いているエサをよく食べます。逆に水底にあるものを食べるときは逆立ちをしなければなりません。なるべく浮上性の良いエサを選んであげると良いでしょう。
市販されているメダカ専用のエサは、ほとんどが浮上性の高いものとなっていますので、メダカ専用のエサを選んであげれば基本的には大丈夫です。食べ残しが少しでも減るようにエサを選ぶことで、結果的に水質の悪化を防ぐことにもつながります。
与えるエサの量は、1回につき3分〜5分位で食べきれる量を目安にしましょう。食べ残しが出ると、それだけ早く水質も悪化します。メダカの活性やメダカの数により与えるエサの量は変わりますので、普段のエサやりでメダカをよく観察しながら調整する必要があります。
エサを与える回数ですが、夏場はよく活動をしますので 最低でも1日に2回、春や秋は水温が低く活動が鈍くなるため1日に1回程度で大丈夫です。
エサを与える際に注意しなければならないのがエサの与えすぎてしまうことです。エサを与えすぎてしまうと、食べ残したエサが腐敗し、水質の悪化につながります。メダカにとって水は命なので、水質の悪化は最悪の場合、死に至ることもあります。メダカには胃袋と呼べる臓器が無く、たくさんのエサを食べても蓄えておく機能がありません。以上のことから、1回に与える量を少なくして、できる限り小分けにして回数を多く与える、というやり方がメダカにとっては一番良いと言えます。
屋外飼育の場合、冬場は水温が下がりメダカの活動は鈍くなります。冬眠に近い状態になる為、エサを与える必要はありません。エサを与えても水面に上がって来なくなったら、エサやりを止めるサインです。
市販されているメダカのエサ以外にもミジンコ、糸ミミズ、赤虫、ブラインシュリンプなどの生き餌もよく食べます。これらの生き餌は人工餌(粉末状のエサ)に比べ手が掛かり、価格も高くなりますが、栄養価が高くメダカの育成にはとても効果的です。人口餌だけでも十分に育てることはできるので、生き餌はもっと繁殖させたい、早く成長させたいと思われている方にオススメのエサとなります。
<当店で販売しているエサ>
●ひかりプランクトン〜稚魚用・中間魚用・成魚用〜
当店で使用実験し、食いつきもよく、病気発生率や成長速度にも問題がないことを確認した商品です。
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●稚魚用育成高級飼料(パウダータイプ)
病気の予防・改善! 弱い稚魚期の免疫力向上!
病気にかからないように工夫された餌で、成長力も付けてある餌です。粒子も非常に細かいパウダー状になっており、水も傷みにくく、稚魚の育成に最適の餌です。
めだかの館では、現在全ての稚魚、中間魚にこの餌を与えています!浮上性も抜群です。
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●産卵・繁殖用エサ
メダカの産卵数や卵のふ化率に配慮して、高度不飽和脂肪酸やリン脂質を強化配合したひかり菌入り飼料です。
毎日のように卵を産むメスの親メダカをしっかりと育てるため、高タンパク、高脂肪のハイカロリーな配合としており、生きたひかり菌がメダカの腸内バランスを整えます。
またエサ粒を消化吸収しやすい状態に分解。メダカの成長に必要な栄養分を十分に吸収利用できるようになります。(キョーリンHPより)
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水質の悪化は病気の元
メダカにとって水は命です。
水質の悪化はメダカが病気になったり、死亡する大きな要因となります。そうなる前に定期的に水換えを行い、水質が良い状態を保つよう心がけましょう。
水を汚す1番の原因は、メダカの排泄物とエサの食べ残しです。 このメダカの糞やエサの食べ残しが水中で有害な物質アンモニアへと変化し、蓄積されていきます。
そこで活躍してくれるのが、水中に存在するバクテリアなどの微生物です。バクテリアは底砂やろ過器の中のろ材、スポンジなどをすみかとします。このバクテリアの働きによりアンモニアを分解してくれます。
しかし、バクテリアの繁殖にはある程度時間がかかりますので、水槽をセットしたての初期段階は注意が必要です。見た目は澄んだ透明な水であっても、実際にはアンモニアが蓄積されているということもあります。できる限り食べ残しが出ないようにエサを与え、こまめに水換えを行いましょう。
上にも書きましたが、バクテリアはアンモニアを分解して、ほぼ無害な硝酸塩へと変えます。硝酸塩は少量であれば害はありませんが、蓄積されることによりメダカに害を与えるようになってきます。
水草が入っている場合は、栄養分として一部は吸収されますが、水換えによる排出も必要となります。つまり、バクテリアが十分に繁殖している状態でも、定期的な水換えは必要となります。
一週間に一度は水換えを
水換えの頻度と度合いは、メダカの数や水槽の大きさ、バクテリアなどの微生物の繁殖状況、季節などによって変わりますが、目安として1週間に1回、半分程度の水を交換しましょう。ただ、あくまでも目安なので、1週間経っていなくても調子が悪そうだなと思ったらすぐに水替えを行なうなど、日々の観察と臨機応変な対応が必要です。
すべての水を替えてしまうと、メダカに負担がかかり弱ってしまうことがあります。水質の変化が少なくなるように、元の飼育水を半分程度残してあげることでメダカへの負担が減り、安全に水替えを行うことができます。
ただし、飼育水が白く濁っているときや、グリーンウォーターが赤茶色になっているときは水が悪い状態なので、元の飼育水は使わず、すべての水を取り替える必要があります。
底砂を敷いている場合は、底砂の間に溜まっている腐敗物が水を悪くしている原因の可能性があるため、底砂をしっかりと洗ってあげましょう。
ソイルを敷いている場合は、強い力を加えると形が崩れてしまうため、優しく掃除する必要があります。ソイルの寿命は1年程度なので、水質を安定させる効果がなくなってきたと感じたら新しいソイルと交換してあげましょう。
このように、水替えは最低限1 週間に1 回の頻度で行ない、あとはエサを与える時にメダカを観察して調子が悪ければ水替えを行なったり、できれば同時に水槽の底に溜まっているフンや食べ残しを取り除いてあげるなどすれば、メダカを元気に飼育することができます。
メダカは変温動物ですので水温によって活動が違ってきます。夏場の暑い時期はメダカも活発で水が悪くなりやすいため、水槽の大きさによっては1週間に1回の水替えでは足りない場合もあります。
冬場の水温が低い時には、メダカはほとんど活動をせず、エサも食べないため、排泄物が少なく水質が悪くなる原因が少なくなります。冬眠時期になる前に一度水底の腐敗物を取り除いてあげれば、冬場はほとんど水換えをする必要はありません。
<一口メモ>
下記の写真は、水替え用のポンプを使用して水替えをしている様子。水替えと一緒に糞や食べ残しを一緒に掃除してあげると水質の安定により効果的です。ベアタンクの場合は溜まっている腐敗物が確認しやすいですが、底砂を敷いている場合は、一旦メダカを掬って底砂をかき混ぜてください。底砂の間に溜まっている腐敗物が浮遊してきます。底砂を敷いている水槽では定期的に底砂を洗う作業が必要です。
稚魚の育成に最適のグリーンウォーター
グリーンウォーターとは、水中で植物プランクトンが発生し、緑色に見える水のことです。このグリーンウォーターがメダカの育成にとって良いことがあり、特に稚魚の育成に効果的な一面があります。
メダカの稚魚は4mm〜5mm程度の大きさしかなく、口も小さいため細かいエサしか食べることができません。植物プランクトンは稚魚でも食べることのできるサイズであるため、稚魚が食べるエサの一つとして認識しておくとよいでしょう。
ただ、植物プランクトンだけではエサ不足なため、市販されているエサを与えることが必要となります。また緑色が濃くなりすぎている場合は水質が悪くなっている可能性があるため、水替えをするなどの対策が必要です。
下部を泳いでいるメダカの輪郭が見えないグリーンウォーターは濃くなってきている状態ですので、日々観察して適切な濃さを維持してください。
グリーンウォーターの作り方は容器に水をためて、屋外のよく日光の当たる場所に置いてしばらくすると自然とグリーンウォーターになっていきます。ただこの方法ではかなり時間がかかるため、早くグリーンウォーターを作りたい方は、すでにグリーンウォーターになっている飼育水を種水として入れてあげることで、より効率的に作ることができます。
繁殖の第一歩はオスとメスの見分けから
メダカ飼育での大きな楽しみの1つが、メダカの繁殖です。メダカは条件さえ整えば簡単に卵を産み、殖やすことができます。メダカの繁殖を楽しむためには、まず、オスとメスの違いを覚えて、見分けができるようになりましょう。
メダカのオスとメスは、しりビレと背ビレの形で見分けることができます。
オスのしりビレはメスよりも大きく、平行四辺形のような形をしています。メスのしりビレはオスより小さく、後方(尾ビレ側)に行くほどヒレの幅が狭くなっています。
しりビレを見て分かりづらい場合は、背ビレを見て判断しましょう。オスの背ビレには付け根部分に切り込みが入っています。メスの背ビレには切り込みが入っていません。
改良メダカの中には体型やヒレの形状が変化していてオスとメスの見分けがつきにくい品種も多く存在しますが、全ての改良メダカはヒレを見て判断できますので、前述のしりビレと背ビレの特徴を覚えていれば大丈夫です。
産卵時期は4月から10月まで
メダカは屋外飼育の場合、春〜秋(4月〜10月頃)にかけて産卵をします。それは、水温と日照時間が大きく関わっています。
メダカは水温18℃以上、日照時間が12〜14時間以上の環境下で産卵を行います。地域によって差はありますが、4月頃より上記の条件が整いだし、10月頃まで産卵を行います。
11月〜3月の寒い時期でも、室内でヒーター等を使用し、夏のような環境を作れば産卵をします。その場合、水温は25℃〜28℃くらいに設定し、照明を13時間以上点灯させてください。
<一口メモ>
下記の写真は、室内飼育で繁殖している様子です。水温も大切ですが、照明も大事です。室内の場合は、季節を問わず照明をつけた方がメダカを健康に育てることができます。採卵をするならなおさら照明が必要です。
産卵ペア数は、メス>オスが基本
メダカにも相性があり、この相性が合わないと卵は全く産みません。逆に相性が良い場合にはオス1匹、メス1匹の交配でも、毎日卵を産みます。効率よく繁殖をさせるにはオスとメスを合わせて5〜10匹はいた方が良いでしょう。
オスメスの割合は、5匹の場合はオス2匹メス3匹、10匹の場合はオス4匹、メス6匹というように、メスが多い方が理想です。
メダカは水温18℃以上、日照時間が12〜13時間以上の環境下で産卵を行います。また、産卵のためにはエサが非常に重要で、エサをしっかり与えていないと産卵をしなかったり、産卵数が減ったりしますので、毎日のエサやりが大切です。
水槽内に水草や採卵道具が入っている場合は、そこに卵を付着させます。産まれた卵をそのままにしておくと、卵が食べられたり、孵化をしても稚魚が親メダカに食べられてしまいますので、水草や産卵床に産み付けられた卵は、水草ごと別の容器に移してあげましょう。
水草の中でもホテイソウは良く卵をを産み付けてくれる水草ですが、販売していない時期が長いため、効率よく卵を集めるにはいつでも購入することが出来るメダカ専用の産卵床がオススメです。
水草や産卵床を入れていても、付着せずに水槽の底に落ちてしまっている卵が意外と多くあります。一個一個拾ってあげるのも良いですが、水替えの際にアミなどで濾してあげると、すべての卵を採ることができます。親メダカを別の水槽に移し、卵だけを水槽内に残して孵化させるというやり方もありますので自分に合った採卵方法を試してみてください。
産卵を観察するなら日の出前
メダカの産卵は夜明け前より始まり、日の出の明るくなる時には終わっています。
産卵を観察したい場合には、夜の間に黒い布などをかけて真っ暗にし、夜中の状態を作ります。翌朝、黒い布をはずすとその時点から求愛行動を始め、産卵を行う可能性があります。
孵化する条件は250℃・日
卵が孵化するまでの日数には水温が大きく関係しています。水温が高ければ早く孵化し、低ければ孵化までに時間がかかります。
卵が孵化するおおまかな日数を計算する積算温度という方法があります。メダカの積算温度は250℃日(水温(℃ ) ×日数( 日) = 250℃日)とされており、例えば、水温が25℃の場合は約10日で孵化をし、水温が20℃であれば12〜13日かかるということです。
またメダカが産んでくれた卵が全て孵化するわけではありません。産卵した卵には、無精卵と有精卵があります。無精卵は柔らかく力を加えるとつぶれてしまいます。
有精卵は薄い黄色をしており、指で強くつまんでもなかなかつぶれないほどの硬さがあります。無精卵をそのまま放置しておくと、だんだんと白くなり次第にカビが生えてきます。無精卵と有精卵がくっついていた場合、無精卵のカビが有精卵にも浸食してしまい、仕舞にはすべての卵がカビてしまいます。無精卵を見つけた際には、なるべく除去してあげた方がより多くの有精卵を孵化させることが出来ます。
<一口メモ> 下記の写真は、孵化したばかりの稚魚。30℃以上の水温で管理していた場合、孵化するまでの日数も短くなるが、体色が良くなりにくい傾向があるため、22℃〜26℃で孵化させるのがオススメです。
下記の写真は、孵化して数日経った稚魚。体調は4mm〜5mm程度で、小さなエサしか食べることが出来ない。パウダー状のエサに加え、ゾウリムシを与えると成長も早くなり、成魚になる確率も上がる。
稚魚のエサやりは一日数回少量ずつ
卵を分けた水槽に、ある日針の先のようなとても小さい生き物が泳いでいます。それがメダカの稚魚です。
稚魚はお腹に栄養の袋(ヨークサック)を持っているため、産まれて3〜4日間はエサを食べなくても生きていけます。ヨークサックが無くなる3日目あたりからエサを与えてください。
エサは稚魚用の人工エサを与えます。できるだけ粒の細かいパウダー状のものがオススメです。この時期のエサは非常に重要で、エサが足りないと成長に支障をきたす可能性がありますので、エサは十分に与えましょう。しかし、エサの食べ残しには注意が必要ですので、できれば1日に数回(4〜5回くらい)に分けて少量ずつを与えるのが理想です。
メダカの様々な病気
メダカがかかりやすい病気は「白点病」、「水カビ病」、「尾ぐされ病」などがあります。
「白点病」は体に白い点々のようなものが付きます。
「水カビ病」は頭部や口先、ヒレなどに白い線のようなカビが付きます。「尾ぐされ病」はヒレがささくれたり、溶けたりします。 いずれの場合も、初期段階であれば治療が可能です。症状が進み、重症化した場合の治療は難しくなります。
治療法は市販の魚病薬を使用するか、塩を使用します。塩は0. 3〜0. 5%の塩分濃度になるように塩水を作り、そこに病気のメダカをいれて塩水浴させます。病気の原因となる菌は高温になると活動が鈍るため、水温は28℃位までに上げてください。
メダカを屋外で飼育する際の注意点や、月ごとの管理方法について説明します。
メダカを屋内で飼育する際の注意点や、月ごとの管理方法について説明します。
メダカは丈夫な魚ですので、水が漏れない容器であればどんなものでも大丈夫です。ペットショップで売られているガラス水槽、発砲スチロール、園芸用のプランターやプラスチック容器などがよく使われています。
重要なのは、メダカの匹数に見合った大きさの水槽を用意する事です。水槽の中に入る水量を把握して、1リットルに対して1匹を目安に飼育しましょう。
例えば10匹のメダカを飼育する場合、10リットル以上入る水槽を用意してあげれば過密になることなく余裕をもって飼育することができます。過密飼育をすると成長が遅くなったり、卵が産まれなかったり、酸欠や水が痛みやすくなったりと、メダカが病気や弱ってしまう原因となってしまいます。水槽が大きすぎる事でメダカに負担がかかってしまうことはないので、なるべく大きめの水槽で飼育しましょう。
ただ、水槽が大きすぎても掃除が大変になってしまいますので、適度な大きさの水槽を選ぶことで、日々のメンテナンスも滞りなく行うことが出来ます。
<オススメ水槽1>メダカ元気 メダカのために飼育鉢(GEX)
屋外で上見用の水槽です。お手頃な価格で、かわいらしい水槽としてご利用いただけます。色が茶、黒、白と選べるのも便利です。容量は12Lと8Lのものがありますので、飼育する匹数と配置する場所の大きさによって選んでみてください。
●12L 水槽
●8L 水槽
<オススメ水槽2>黒発砲スチロール箱 フタ付き(クハラ)
屋外で上見用の水槽です。頑丈で使いやすく、飼育にとてもおすすめの容器です!発送にそのまま利用する人もいます。
<オススメ水槽3>ガラス水槽 萩物語めだか(クハラ)
屋内で横見用の水槽です。日本メダカ協会が主催するメダカ品評会でも使用されており、横見でメダカを観賞するのにピッタリの水槽です。木目フレームがインテリアにマッチします。 MD-205が3.5L(数匹用)、450Lowが12L(10数匹用)です。
砂利は丸みのあるものを敷くのがオススメ
水槽に底砂を入れることで、水槽を綺麗に演出したり、水の劣化を抑えるバクテリアのすみかとなることも期待できます。底砂に繁殖したバクテリアは、エサの食べ残しやメダカの排泄物から出る毒性の強いアンモニアを分解し、ほぼ無害な硝酸塩に変えます。つまり、バクテリアは水質の安定と浄化には欠かせない微生物になります。
底砂を選ぶ際、なるべく角の無い丸みを帯びたものを使用してください。メダカは驚いた時に地中へ潜ろうとしますが、その時に角張った砂利の場合、怪我をするおそれがあります。底砂の他に 赤玉土やメダカ用のソイルなども販売されていますので、好みにあったものを選ぶとよいでしょう。
また、底砂を敷かない「ベアタンク」という飼育方法があります。ベアタンクは底に溜まった腐敗物の除去がしやすい、産み落とした卵を見つけやすい、などのメリットがあり、頻繁に水替えの出来る方、卵をなるべく多く採取した方にオススメの飼育方法です。
水草は産卵や夏の日よけにオススメ
メダカにとって水草は隠れ場所や産卵場所になったりします。また、日中は光合成により酸素を供給してくれたり、水を浄化する作用もありますので、なるべく水草は入れてください。
メダカの飼育では、ホテイアオイやアナカリスなどがよく使われています。ホテイアオイの根は水中の余分な栄養分などを吸収し水を浄化してくれたり、夏場の日除け、水温上昇の防止など大変重宝されます。
また、メダカの産卵場所としても最適で、夏場の採卵には多くの方が利用しています。ただし、根が伸び過ぎると、メダカに絡まり抜け出せなくなることがあるので、ある程度根が伸びてきたらカットしてください。
ホテイアオイが増えすぎると、夜間に二酸化炭素の量が増えてメダカが酸欠になり死亡する事があります。水量に対してホテイアオイが入りすぎていないか注意してください。
余談ですが、ホテイアオイの名前は、葉の基部の膨らみ部の膨らみが、七福神の布袋様のおなかに例えられ付けられた名前のようです。
アナカリスは育成が容易で、安価で購入しやすく、多くの方に利用されています。池や川でよく見られる水草ですので、採取して利用するのもよいでしょう。 ただし、自然に生えているものには、寄生虫や雑菌が混入している事も考えられますので、殺菌をしてから水槽に入れるようにしましょう。また、購入した水草にも同じよう場合がありますので、よく洗ってから利用してください。
飼育場所は日当たりのよい屋外に
水槽を置く場所は、できるだけ日当たりの良い場所に置きましょう。太陽光には殺菌作用があるため、水槽内のメダカが丈夫で健康な状態を維持することができ、病気にかかりにくくなります。
また、繁殖力の増加や、色揚げにも良いと言われています。その点から言うと、メダカを飼育するのは屋外飼育が理想です。
しかし、夏場に太陽光が当たり続けると水温がかなり高温となりますので注意が必要です。特に西日は昼に上がった水温をさらに高温にするため、西日が水槽に当たらない場所を選ぶのがオススメです。
どうしても西日が水槽に当たってしまう場所で飼育しなければならない場合は、よしずなどで影を作り水温が30度以上にならないように対策をしましょう。
室内飼育は、いつでも好きな時にメダカを鑑賞できるのが魅力ですが、どうしても光量が不足します。光不足はビタミンD の欠乏をもたらし、メダカが病気にかかりやすくなります。
室内飼育の場合は光を補給するという意味でも、水槽用のライトを使用してください。点灯しておく時間は12時間〜14時間程度を目安にすると良いでしょう。日当たりの良い窓際で飼育しており、屋外とほとんど日照時間が変わらない場所でも、室内飼育の場合はライトを点灯しておくことをオススメします。
飼育水はカルキ抜きをしっかりと
メダカを飼育する上で大切なものの1つが水です。
めだかの館では、地下水をくみ上げて使用していますが、ほとんどの愛好家の方は水道水を使う場合が多いと思います。そこで注意が必要なのがカルキです。
水道水には殺菌のために塩素が使用されています。この水道水に含まれる塩素がメダカにとって害のあるものとなります。 水道水の塩素を抜くには、屋外で約24 時間、室内の場合は2〜3日水を汲み置きしておくと、自然に水中から塩素が抜けます。また、汲み置き水を常に溜めておけば、水温も気温と同じくらいになり、水換えに使用する際にも好都合です。
すぐに水道水を使う場合には、市販のカルキ抜きを使用してください。飼育に使う水道水、または地下水にしても、地域によってはpH に問題がある場合があるようです。あらかじめ市販のpH など測定する検査薬で調べておくと安心です。
pH とは水中のイオン濃度の度合いを示すもので、pH= 7が中性、それより数値が下がると酸性、上がるとアルカリ性となります。メダカの飼育には弱酸性〜弱アルカリ性の範囲内での飼育が理想です。pH は飼育環境によって変わってきます。飼育水は飼育を続けるにつれ酸性に傾いてきます。あまりにもpH が低下することは、メダカにとっては害になります。
また、pHや水温などに差がある水にメダカを移したりすると、水質の急変で体調を崩す可能性があります。
そのため、メダカを購入された場合や水替えなどで違う水槽に移動させたりする場合には、水合わせをしっかりと行ってください。
水合わせをする際には、小さめの容器に飼育水と一緒にメダカを入れ、新しく入れる水槽にしばらく浮かべておきます。1時間程度で水温が同じになるので、新しい環境の水を少しずつ入れて、ゆっくりと新しい環境に慣らしていきます。これをすることにより、水質や水温の急激な変化を防ぎます。
<一口メモ>
水槽を入れ替えて水替えをする時には、メダカの入っている水槽の横にならべて新しい水を水槽に汲んでおくと、水温が同じになり負担が少ないのでオススメです。屋外の場合は前日、屋内の場合は2〜3日前から準備するとカルキが自然と抜けてより良いでしょう。その際にもともといた飼育水を入れてあげることで、水質の変化が少なくなりメダカへの負担が少なくなります。
エサは3分で食べきれる量が最適
人に慣れているメダカは、近づくと勢いよく人間の方に近寄ってきます。これは飼育者がきちんとエサを与えている証拠で、とても大事なことです。
メダカは雑食性でプランクトン、ミジンコ、ボウフラ、植物、小さな昆虫など、いろいろなものを食べ、自分が産んだ卵や稚魚までも食べてしまいます。
家の限られたスペースでメダカを飼育する場合は、これらの自然に発生するエサだけでは足りないため、必ず市販されているメダカのエサを与えてください。(当店で販売しているエサを下記で紹介しています)
メダカは口が上向きについていますので、 基本的には水面に浮いているエサをよく食べます。逆に水底にあるものを食べるときは逆立ちをしなければなりません。なるべく浮上性の良いエサを選んであげると良いでしょう。
市販されているメダカ専用のエサは、ほとんどが浮上性の高いものとなっていますので、メダカ専用のエサを選んであげれば基本的には大丈夫です。食べ残しが少しでも減るようにエサを選ぶことで、結果的に水質の悪化を防ぐことにもつながります。
与えるエサの量は、1回につき3分〜5分位で食べきれる量を目安にしましょう。食べ残しが出ると、それだけ早く水質も悪化します。メダカの活性やメダカの数により与えるエサの量は変わりますので、普段のエサやりでメダカをよく観察しながら調整する必要があります。
エサを与える回数ですが、夏場はよく活動をしますので 最低でも1日に2回、春や秋は水温が低く活動が鈍くなるため1日に1回程度で大丈夫です。
エサを与える際に注意しなければならないのがエサの与えすぎてしまうことです。エサを与えすぎてしまうと、食べ残したエサが腐敗し、水質の悪化につながります。メダカにとって水は命なので、水質の悪化は最悪の場合、死に至ることもあります。メダカには胃袋と呼べる臓器が無く、たくさんのエサを食べても蓄えておく機能がありません。以上のことから、1回に与える量を少なくして、できる限り小分けにして回数を多く与える、というやり方がメダカにとっては一番良いと言えます。
屋外飼育の場合、冬場は水温が下がりメダカの活動は鈍くなります。冬眠に近い状態になる為、エサを与える必要はありません。エサを与えても水面に上がって来なくなったら、エサやりを止めるサインです。
市販されているメダカのエサ以外にもミジンコ、糸ミミズ、赤虫、ブラインシュリンプなどの生き餌もよく食べます。これらの生き餌は人工餌(粉末状のエサ)に比べ手が掛かり、価格も高くなりますが、栄養価が高くメダカの育成にはとても効果的です。人口餌だけでも十分に育てることはできるので、生き餌はもっと繁殖させたい、早く成長させたいと思われている方にオススメのエサとなります。
<当店で販売しているエサ>
●ひかりプランクトン〜稚魚用・中間魚用・成魚用〜
当店で使用実験し、食いつきもよく、病気発生率や成長速度にも問題がないことを確認した商品です。
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●稚魚用育成高級飼料(パウダータイプ)
病気の予防・改善! 弱い稚魚期の免疫力向上!
病気にかからないように工夫された餌で、成長力も付けてある餌です。粒子も非常に細かいパウダー状になっており、水も傷みにくく、稚魚の育成に最適の餌です。
めだかの館では、現在全ての稚魚、中間魚にこの餌を与えています!浮上性も抜群です。
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●産卵・繁殖用エサ
メダカの産卵数や卵のふ化率に配慮して、高度不飽和脂肪酸やリン脂質を強化配合したひかり菌入り飼料です。
毎日のように卵を産むメスの親メダカをしっかりと育てるため、高タンパク、高脂肪のハイカロリーな配合としており、生きたひかり菌がメダカの腸内バランスを整えます。
またエサ粒を消化吸収しやすい状態に分解。メダカの成長に必要な栄養分を十分に吸収利用できるようになります。(キョーリンHPより)
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水質の悪化は病気の元
メダカにとって水は命です。
水質の悪化はメダカが病気になったり、死亡する大きな要因となります。そうなる前に定期的に水換えを行い、水質が良い状態を保つよう心がけましょう。
水を汚す1番の原因は、メダカの排泄物とエサの食べ残しです。 このメダカの糞やエサの食べ残しが水中で有害な物質アンモニアへと変化し、蓄積されていきます。
そこで活躍してくれるのが、水中に存在するバクテリアなどの微生物です。バクテリアは底砂やろ過器の中のろ材、スポンジなどをすみかとします。このバクテリアの働きによりアンモニアを分解してくれます。
しかし、バクテリアの繁殖にはある程度時間がかかりますので、水槽をセットしたての初期段階は注意が必要です。見た目は澄んだ透明な水であっても、実際にはアンモニアが蓄積されているということもあります。できる限り食べ残しが出ないようにエサを与え、こまめに水換えを行いましょう。
上にも書きましたが、バクテリアはアンモニアを分解して、ほぼ無害な硝酸塩へと変えます。硝酸塩は少量であれば害はありませんが、蓄積されることによりメダカに害を与えるようになってきます。
水草が入っている場合は、栄養分として一部は吸収されますが、水換えによる排出も必要となります。つまり、バクテリアが十分に繁殖している状態でも、定期的な水換えは必要となります。
一週間に一度は水換えを
水換えの頻度と度合いは、メダカの数や水槽の大きさ、バクテリアなどの微生物の繁殖状況、季節などによって変わりますが、目安として1週間に1回、半分程度の水を交換しましょう。ただ、あくまでも目安なので、1週間経っていなくても調子が悪そうだなと思ったらすぐに水替えを行なうなど、日々の観察と臨機応変な対応が必要です。
すべての水を替えてしまうと、メダカに負担がかかり弱ってしまうことがあります。水質の変化が少なくなるように、元の飼育水を半分程度残してあげることでメダカへの負担が減り、安全に水替えを行うことができます。
ただし、飼育水が白く濁っているときや、グリーンウォーターが赤茶色になっているときは水が悪い状態なので、元の飼育水は使わず、すべての水を取り替える必要があります。
底砂を敷いている場合は、底砂の間に溜まっている腐敗物が水を悪くしている原因の可能性があるため、底砂をしっかりと洗ってあげましょう。
ソイルを敷いている場合は、強い力を加えると形が崩れてしまうため、優しく掃除する必要があります。ソイルの寿命は1年程度なので、水質を安定させる効果がなくなってきたと感じたら新しいソイルと交換してあげましょう。
このように、水替えは最低限1 週間に1 回の頻度で行ない、あとはエサを与える時にメダカを観察して調子が悪ければ水替えを行なったり、できれば同時に水槽の底に溜まっているフンや食べ残しを取り除いてあげるなどすれば、メダカを元気に飼育することができます。
メダカは変温動物ですので水温によって活動が違ってきます。夏場の暑い時期はメダカも活発で水が悪くなりやすいため、水槽の大きさによっては1週間に1回の水替えでは足りない場合もあります。
冬場の水温が低い時には、メダカはほとんど活動をせず、エサも食べないため、排泄物が少なく水質が悪くなる原因が少なくなります。冬眠時期になる前に一度水底の腐敗物を取り除いてあげれば、冬場はほとんど水換えをする必要はありません。
<一口メモ>
下記の写真は、水替え用のポンプを使用して水替えをしている様子。水替えと一緒に糞や食べ残しを一緒に掃除してあげると水質の安定により効果的です。ベアタンクの場合は溜まっている腐敗物が確認しやすいですが、底砂を敷いている場合は、一旦メダカを掬って底砂をかき混ぜてください。底砂の間に溜まっている腐敗物が浮遊してきます。底砂を敷いている水槽では定期的に底砂を洗う作業が必要です。
稚魚の育成に最適のグリーンウォーター
グリーンウォーターとは、水中で植物プランクトンが発生し、緑色に見える水のことです。このグリーンウォーターがメダカの育成にとって良いことがあり、特に稚魚の育成に効果的な一面があります。
メダカの稚魚は4mm〜5mm程度の大きさしかなく、口も小さいため細かいエサしか食べることができません。植物プランクトンは稚魚でも食べることのできるサイズであるため、稚魚が食べるエサの一つとして認識しておくとよいでしょう。
ただ、植物プランクトンだけではエサ不足なため、市販されているエサを与えることが必要となります。また緑色が濃くなりすぎている場合は水質が悪くなっている可能性があるため、水替えをするなどの対策が必要です。
下部を泳いでいるメダカの輪郭が見えないグリーンウォーターは濃くなってきている状態ですので、日々観察して適切な濃さを維持してください。
グリーンウォーターの作り方は容器に水をためて、屋外のよく日光の当たる場所に置いてしばらくすると自然とグリーンウォーターになっていきます。ただこの方法ではかなり時間がかかるため、早くグリーンウォーターを作りたい方は、すでにグリーンウォーターになっている飼育水を種水として入れてあげることで、より効率的に作ることができます。
繁殖の第一歩はオスとメスの見分けから
メダカ飼育での大きな楽しみの1つが、メダカの繁殖です。メダカは条件さえ整えば簡単に卵を産み、殖やすことができます。メダカの繁殖を楽しむためには、まず、オスとメスの違いを覚えて、見分けができるようになりましょう。
メダカのオスとメスは、しりビレと背ビレの形で見分けることができます。
オスのしりビレはメスよりも大きく、平行四辺形のような形をしています。メスのしりビレはオスより小さく、後方(尾ビレ側)に行くほどヒレの幅が狭くなっています。
しりビレを見て分かりづらい場合は、背ビレを見て判断しましょう。オスの背ビレには付け根部分に切り込みが入っています。メスの背ビレには切り込みが入っていません。
改良メダカの中には体型やヒレの形状が変化していてオスとメスの見分けがつきにくい品種も多く存在しますが、全ての改良メダカはヒレを見て判断できますので、前述のしりビレと背ビレの特徴を覚えていれば大丈夫です。
産卵時期は4月から10月まで
メダカは屋外飼育の場合、春〜秋(4月〜10月頃)にかけて産卵をします。それは、水温と日照時間が大きく関わっています。
メダカは水温18℃以上、日照時間が12〜14時間以上の環境下で産卵を行います。地域によって差はありますが、4月頃より上記の条件が整いだし、10月頃まで産卵を行います。
11月〜3月の寒い時期でも、室内でヒーター等を使用し、夏のような環境を作れば産卵をします。その場合、水温は25℃〜28℃くらいに設定し、照明を13時間以上点灯させてください。
<一口メモ>
下記の写真は、室内飼育で繁殖している様子です。水温も大切ですが、照明も大事です。室内の場合は、季節を問わず照明をつけた方がメダカを健康に育てることができます。採卵をするならなおさら照明が必要です。
産卵ペア数は、メス>オスが基本
メダカにも相性があり、この相性が合わないと卵は全く産みません。逆に相性が良い場合にはオス1匹、メス1匹の交配でも、毎日卵を産みます。効率よく繁殖をさせるにはオスとメスを合わせて5〜10匹はいた方が良いでしょう。
オスメスの割合は、5匹の場合はオス2匹メス3匹、10匹の場合はオス4匹、メス6匹というように、メスが多い方が理想です。
メダカは水温18℃以上、日照時間が12〜13時間以上の環境下で産卵を行います。また、産卵のためにはエサが非常に重要で、エサをしっかり与えていないと産卵をしなかったり、産卵数が減ったりしますので、毎日のエサやりが大切です。
水槽内に水草や採卵道具が入っている場合は、そこに卵を付着させます。産まれた卵をそのままにしておくと、卵が食べられたり、孵化をしても稚魚が親メダカに食べられてしまいますので、水草や産卵床に産み付けられた卵は、水草ごと別の容器に移してあげましょう。
水草の中でもホテイソウは良く卵をを産み付けてくれる水草ですが、販売していない時期が長いため、効率よく卵を集めるにはいつでも購入することが出来るメダカ専用の産卵床がオススメです。
水草や産卵床を入れていても、付着せずに水槽の底に落ちてしまっている卵が意外と多くあります。一個一個拾ってあげるのも良いですが、水替えの際にアミなどで濾してあげると、すべての卵を採ることができます。親メダカを別の水槽に移し、卵だけを水槽内に残して孵化させるというやり方もありますので自分に合った採卵方法を試してみてください。
産卵を観察するなら日の出前
メダカの産卵は夜明け前より始まり、日の出の明るくなる時には終わっています。
産卵を観察したい場合には、夜の間に黒い布などをかけて真っ暗にし、夜中の状態を作ります。翌朝、黒い布をはずすとその時点から求愛行動を始め、産卵を行う可能性があります。
孵化する条件は250℃・日
卵が孵化するまでの日数には水温が大きく関係しています。水温が高ければ早く孵化し、低ければ孵化までに時間がかかります。
卵が孵化するおおまかな日数を計算する積算温度という方法があります。メダカの積算温度は250℃日(水温(℃ ) ×日数( 日) = 250℃日)とされており、例えば、水温が25℃の場合は約10日で孵化をし、水温が20℃であれば12〜13日かかるということです。
またメダカが産んでくれた卵が全て孵化するわけではありません。産卵した卵には、無精卵と有精卵があります。無精卵は柔らかく力を加えるとつぶれてしまいます。
有精卵は薄い黄色をしており、指で強くつまんでもなかなかつぶれないほどの硬さがあります。無精卵をそのまま放置しておくと、だんだんと白くなり次第にカビが生えてきます。無精卵と有精卵がくっついていた場合、無精卵のカビが有精卵にも浸食してしまい、仕舞にはすべての卵がカビてしまいます。無精卵を見つけた際には、なるべく除去してあげた方がより多くの有精卵を孵化させることが出来ます。
<一口メモ> 下記の写真は、孵化したばかりの稚魚。30℃以上の水温で管理していた場合、孵化するまでの日数も短くなるが、体色が良くなりにくい傾向があるため、22℃〜26℃で孵化させるのがオススメです。
下記の写真は、孵化して数日経った稚魚。体調は4mm〜5mm程度で、小さなエサしか食べることが出来ない。パウダー状のエサに加え、ゾウリムシを与えると成長も早くなり、成魚になる確率も上がる。
稚魚のエサやりは一日数回少量ずつ
卵を分けた水槽に、ある日針の先のようなとても小さい生き物が泳いでいます。それがメダカの稚魚です。
稚魚はお腹に栄養の袋(ヨークサック)を持っているため、産まれて3〜4日間はエサを食べなくても生きていけます。ヨークサックが無くなる3日目あたりからエサを与えてください。
エサは稚魚用の人工エサを与えます。できるだけ粒の細かいパウダー状のものがオススメです。この時期のエサは非常に重要で、エサが足りないと成長に支障をきたす可能性がありますので、エサは十分に与えましょう。しかし、エサの食べ残しには注意が必要ですので、できれば1日に数回(4〜5回くらい)に分けて少量ずつを与えるのが理想です。
メダカの様々な病気
メダカがかかりやすい病気は「白点病」、「水カビ病」、「尾ぐされ病」などがあります。
「白点病」は体に白い点々のようなものが付きます。
「水カビ病」は頭部や口先、ヒレなどに白い線のようなカビが付きます。「尾ぐされ病」はヒレがささくれたり、溶けたりします。 いずれの場合も、初期段階であれば治療が可能です。症状が進み、重症化した場合の治療は難しくなります。
治療法は市販の魚病薬を使用するか、塩を使用します。塩は0. 3〜0. 5%の塩分濃度になるように塩水を作り、そこに病気のメダカをいれて塩水浴させます。病気の原因となる菌は高温になると活動が鈍るため、水温は28℃位までに上げてください。
メダカを屋外で飼育する際の注意点や、月ごとの管理方法について説明します。
屋 外 飼 育 ( 常 温 飼 育 ) | |
1 月 |
メダカは水底で冬眠しています。天気の良い日中に顔を出したりしますが、触らずに見守りましょう。 冬でも少しずつ水は蒸発していくので、減った分だけ水を継ぎ足す程度の管理は大切です。水を加えるときに、ゆっくりと水流を作らない様に入れるのがポイントです。 |
2 月 |
1月と同じく触らず見守りましょう。雪が降る場合は、屋根の下に置く配慮も大切です。 日光も必要なので、屋根のある日当たりの良い場所で飼育しましょう。 |
3 月 |
気温が暖かくなり日中の水温が10度を超えるため、メダカが活動し始めます。暖かい日にはエサを少しずつ与えましょう。寒い日に与えたり、大量に与えたりすると消化不良の原因となるので注意が必要です。下旬になれば暖かい日が続くため、水底の腐敗物を取り除き、半分程度の水替えを行いましょう。 |
4 月 |
日照時間、水温共にメダカにとって産卵可能な環境となり、産卵シーズンが始まります。産卵はしますが、まだ夜の水温が低いため、孵化率が高くありません。日当たりの良い場所に水槽を置き、水温を上げて飼育しましょう。また、病気が発症しやすい時期です。日々、メダカの様子をみて、調子が悪ければ薬浴、塩浴、水替えを行いましょう。 |
5 月 |
日中の平均気温が20度を超え、安定して飼育、繁殖できる時期です。エサを日に2回程度あげれば安定して産卵をします。エサの回数を増やすことや、水温が上がる事は、水の劣化に繋がります。1週間に1回程度を目安に半分の水替えをしてあげましょう。 |
6 月 |
梅雨時期となるので、水槽の水が溢れてメダカが出ないように対策しましょう。雨が入らない様に、屋根の下に置くことも良いです。日照時間が短いため、病気が発生しやすい時期でもあります。晴れた日には日の当たる場所に移動することが大切です。 |
7 月 |
気温が高くなり、水温も30度を超える日があります。スダレなどを準備し、いつでも影を作ることが出来る状態にしておきましょう。 あまりに日光が入らないと病気の発生に繋がるので、天気予報で判断し、影を作らなくてもいい時は日光を入れてあげましょう。 |
8 月 |
気温が上がり、水温が1年で最も高い時期です。水温が上がりすぎないようにスダレなどで直射日光を遮りましょう。 水温が高いと水の劣化も早くなります。残ったエサを取り除いたり、いつもより早いペースで水替えを行うことが大切です。 水替えの時には水温が変わりすぎないように気を付けましょう。 |
9 月 |
8月同様に暑い時期です。水温や水質をこまめにチェックしましょう。西日が水温を異常にあげる原因となります。 西日の当たらない場所で管理しましょう。今年の冬、屋外飼育をする場合、採卵をストップしましょう。 メダカが孵化し、越冬できる成魚になるまで最低3ヶ月かかります。今孵化した稚魚は、冬までに成魚になる事が出来ません。 |
10 月 |
平均気温が25度以下となりますが、メダカは元気にエサを食べ、卵を産むこともあります。 しかし、季節の変わり目なので、体調を崩すメダカもでてきます。 メダカの様子をみて、エサを減らしたり、水質が劣化していないかチェックしましょう。 |
11 月 |
寒くなり、メダカの活動も鈍くなります。この時期にエサを与えると消化不良の原因となるので、エサを与えることを避けましょう。 越冬の準備として、水槽内の藻を取り除き、枯葉などを入れ、メダカが隠れる場所を作ってあげれば、メダカはその下でじっとしながら越冬します。 |
12 月 |
メダカは冬眠状態になり、水底にじっとしています。雪や風などの影響を受けず、日当たりが良い場所においてあげましょう。水温、水質の変化が少ないように大きい水槽で越冬させてあげればなお良いです。 |
メダカを屋内で飼育する際の注意点や、月ごとの管理方法について説明します。
屋 内 飼 育 ( 加 温 飼 育 ) | |
1 月 |
市販されている水槽用のヒーターで水温を上げます。設定温度は25度が目安です。産卵をさせるのであれば13時間程度、育成だけでも10時間程度の照明が必要です。水槽用のライトを購入して明かりを確保しましょう。 |
2 月 |
1月と同じく、設定温度は25度が目安です。3月に屋外飼育に移動を考えている場合は、水槽の用意と場所の確保をあらかじめ準備しておくと、3月の移動が円滑に行えます。 |
3 月 |
外のメダカが動き出したからといって、屋外水槽の水温は夜になると10度を軽く下回ります。水槽用ヒーターの設定温度を少しずつ下げ、屋外水槽の水温が日中に15度を超えるぐらいになってから移動します。屋内から移動しない場合は、冬場からの現状維持で飼育します。 |
4 月 |
気温も高くなり、水槽用ヒーターを外す時期です。気温の安定する中旬から下旬の間に取り外しましょう。日当たりの良い窓際でも、照明をつけて飼育する方が病気になりにくく、メダカを元気に育てることができます。 |
5 月 |
4月と変わらず、ヒーターは必要なく、安定して飼育できる時期です。エサを1日に2回与え、適度に水替えをすれば順調に産卵し、孵化をします。孵化した稚魚の水槽にも照明をつけてあげましょう。 |
6 月 |
屋外では雨水が入り日照時間が少なくなりますが、屋内飼育はその心配がありません。5月同様に、適度な水替えと照明があれば安定して飼育、採卵が行えます。エアレーション、ろ過フィルターを付けてあげればより安定して飼育を行えますのでオススメです。 |
7 月 |
気温が高くなり、30度を超える日が多くなってきます。部屋の中もかなり暑くなるので、日によっては冷房をしてあげておいた方が良いかもしれません。水質も悪くなるペースが速くなるので、なるべく糞や食べ残しを取り除いて水質が悪くならないように対応してあげましょう。 |
8 月 |
気温が上がり、水温が1年で最も高い時期です。水温が上がりすぎないようにスダレやカーテンなどで直射日光を遮りましょう。水温が高いと水の劣化も早くなります。残ったエサを取り除いたり、いつもより早いペースで水替えを行うことが大切です。水替えの時には水温が変わりすぎないように気を付けましょう。 |
9 月 |
8月同様に暑い時期です。水温や水質をこまめにチェックしましょう。西日が水温を異常にあげる原因となります。西日の当たらない場所で管理しましょう。ただ、メダカにとって光は必要なので、水槽用のライトで光を確保してあげると安定して育ってくれます。 |
10 月 |
屋外飼育していたメダカを屋内飼育に移動する時期です。夜の温度が低いため、水槽用ヒーターで20度前後の設定をし、水温が下がりすぎないようにしましょう。 |
11 月 |
日が短くなる分、照明で補いましょう。水槽用ヒーターの設定温度を25度前後にし、温度を上げて管理します。ダルマメダカなどは、水温が下がると転覆してしまう恐れがあるため、加温した水槽で飼育しましょう。 |
12 月 |
水温が20度から25度、日照時間が13時間の条件がそろえば、この時期でもメダカの産卵から孵化、成長の過程を楽しむことが出来ます。また、メダカを殖やすことをしなくても、冬場に活発に泳いでいる姿を鑑賞できるのは、加温飼育の楽しみの1つです。 |
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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